涙の数だけ笑おうよ 林家かん平奮闘記
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気っぷのいい語り口で将来を嘱望されていた林家かん平が、脳溢血で倒れたのは、1990年の10月、師匠林家三平(先代)の追善興行の打ち上げの夜だった。症状はかなり重くて、右半身付随と落語家の命とも言える言語に障がいが残った。
3年に及ぶ厳しいリハビリの入院生活を繰り返し、高座に復帰。元気な時のような滑らかな口調の落語は出来なくなったが、好きな古典落語はそれなりに味のある喋り口調で演じた。
しかし25年の歳月は、いくらリハビリに励んでいても体力、気力の衰えは隠しようがなく、高座も座布団から車椅子に変わり、得意としていた古典落語も、思うように喋れなくなっていた。
車椅子の落語家林家かん平が体験する過酷なリハビリ生活や同居する母の介護、さらに仲間たちとの暖かいふれあいの中で、創作落語を作り、高座で演じるまでの日々を一年に渡って追ったドキュメンタリー。